カーテンの丈が少し足りないだけで、光漏れや防寒性や見た目のバランスが大きく変わります。
20cm足りない原因と、今日すぐできる対策を分かりやすく解説します。
部屋に新しいカーテンを取り付けたとき、
「なんだか短い…」
「あと20cmあれば床にちょうど届くのに」
と感じたことはありませんか。
カーテンは丈が少し合わないだけで、光漏れが増えたり、冷気が侵入したり、部屋の印象が安っぽく見えたりと、想像以上に影響があります。
特に20cmの差は、カーテンの機能に直結する大きなポイントです。
この記事では、カーテンの丈が足りない原因と、道具不要で今日からできる対処法をわかりやすく解説します。
初心者でも再現できる手順ばかりなので、ぜひ参考にしてください。
なぜカーテンの長さが足りなくなる?まずは原因から確認しよう

カーテンの丈が短くなる原因は、次の4つが大半です。
これらのポイントを丁寧に確認することで、なぜ20cmも足りなくなるのかがより明確に理解でき、後の対策も取りやすくなります。
カーテン選びの失敗の多くは、測定そのものより思い込みや確認不足によって起きることが多いため、ひとつずつ丁寧に見直すことが大切です。
① カーテンレールの位置を想定していなかった
賃貸や建売住宅では、レールの設置高さがまちまちです。
一般的に多くの人はどの家も同じ高さだと考えてしまいがちですが、実際には数センチから十数センチの差があり、その違いが丈不足の大きな原因になります。
特に天井付近に高めに設置されている場合、既製品カーテンでは丈が足りないことが多く、20cm前後の誤差が発生しやすくなります。
さらに、部屋によってレールの位置が微妙に異なることもあるため、以前使っていたカーテンが合っていたから今回も大丈夫という思い込みも失敗のもとになります。
② カーテンレールの種類を間違えた
機能性レール(天井付け)と装飾レール(壁付け)では、カーテンが下りる位置が大きく異なります。
機能性レールは天井に近い位置に設置されやすく、カーテンが下に長く垂れやすいのに対し、装飾レールは壁付けで、カーテンの掛かり位置が高くなることがあります。
測るときにこの違いを見落とすと、カーテン丈が大きく狂ってしまい、結果として20cm前後のズレが簡単に生じてしまいます。
さらに、同じ種類のレールでもメーカーによってフック位置が数ミリから数センチ変わることがあるため、購入前のチェックが非常に重要になります。
③ 洗濯で縮んでしまった
綿やリネン素材のカーテンは洗濯後に数センチ縮むことがあります。
特に天然素材は水を含むと繊維が締まりやすいため、洗濯の度にわずかに縮む経年変化が起きやすいのが特徴です。
この縮みは一度で大きく起こるというより、数回の洗濯を重ねることで少しずつ進むため、最初はぴったりだった丈が半年から一年後には明らかに短くなるケースも珍しくありません。
また、洗濯方法によっても縮み具合は変わり、乾燥機の使用や高温のアイロンが縮みを加速させることがあります。
そのため、カーテン素材の特性を理解し、洗濯表示を確認することが丈トラブルを防ぐための重要なポイントになります。
さらに、防縮加工が施されている商品でも、使用環境や湿度の影響で微妙な変化が起きることがあるため、縮む可能性を前提に丈を選ぶという意識も大切です。
④ 測定ミス
床までの高さを測ったつもりでも、床の傾斜やメジャーのずれやフックの位置ミスなどで誤差が生まれます。
特に、床が完全に水平ではない部屋や、左右で高さが異なる窓枠では、同じように測ったつもりでも数センチの差が出ることがあります。
また、メジャーを斜めに当てたり、途中でたるんでしまったりすると、それだけで五センチ以上の誤差につながることもあります。
さらに、カーテンフックを掛ける位置を間違えると、計測時より実際の丈が大幅に短くなるため、レール側の構造を正しく理解して測定することが重要です。
このように、測定には多くの落とし穴があり、実際には丈のトラブルの六割が測定ミスによるものと言われています。
正確な計測を行うためには、複数箇所で測ることやメジャーを垂直に保つことやレールの種類を見極めることといったポイントを押さえることが欠かせません。
カーテン丈が20cm足りないと何が起きる?影響を知ると対策が分かりやすい
① 光漏れが大きくなる
20cm短いと、窓の下部から朝日や街灯の光が入り込みやすくなります。
特に朝日の角度が低い時間帯には、短いカーテンの隙間から光が差し込み、思った以上に室内が明るくなってしまうことがあります。
その結果、早朝に目が覚めてしまったり、テレビ画面に光が反射したりと、生活面でも細かな支障が出やすくなります。
さらに、夜は外からの街灯や車のライトが入り込みやすく、プライバシーの面でも気になる人が多いポイントです。
丈が20cm不足していると、小さな隙間でも光が直接床に当たり、部屋全体が落ち着かない印象になりやすいため、光漏れ対策は非常に重要です。
② 冷気が侵入しやすい
冬場は窓からの冷気が床付近に流れ込みます。
特に夜間や早朝など、気温が一気に下がる時間帯には、冷たい空気が窓際から床へ広がり、部屋全体を冷やしてしまうことがあります。
カーテンが短いと、こうした冷気を遮断できず、暖房をつけていてもなかなか部屋が温まらない状況が起きやすくなります。
さらに、足元に冷気が溜まることで体感温度が下がり、同じ室温でも寒いと感じやすくなります。
その結果、暖房の設定温度を上げざるを得なくなり、電気代の負担が増えるというデメリットも発生します。
丈が十分にあるカーテンは空気の層を作り、窓からの冷気を遮断してくれるため、快適さを保つためにもカーテンの長さは非常に大切な要素といえます。
③ 見た目のバランスが崩れる
床から20cm以上空いていると、どうしても“寸足らず”の印象が強くなり、部屋全体の統一感やインテリアの雰囲気が損なわれてしまいます。
特にリビングや寝室のように滞在時間が長い部屋では、カーテンの丈が短いだけで空間が視覚的に落ち着かず、まとまりのない印象になりがちです。
また、窓枠の下に大きな空間ができることで、壁面が必要以上に強調され、バランスの悪いレイアウトに見えてしまうこともあります。
カーテンは部屋のインテリアの中でも面積が大きいため、丈が合っていないだけで“なんとなく違和感がある”状態が生まれやすく、見た目の印象に大きく影響します。
そのため、丈不足が気になる場合は、見た目の改善も含めて早めに対策を取ることが大切です。
④ 防音・遮熱機能が落ちる
カーテンには、光や視線を遮るだけでなく、防音や遮熱といった“快適さを保つための役割”もあります。
しかし、丈が短いと下部から音や熱が逃げてしまい、本来期待できる機能が十分に発揮されなくなります。
特に遮熱カーテンの場合、下の隙間から暖気や冷気が出入りしてしまうため、エアコン効率が下がり、電気代の増加にもつながります。
防音カーテンでも、隙間があることで外からの生活音が入り込みやすくなるため、思ったような効果が得られない場合があります。
丈の合ったカーテンは窓全体を覆い、空気の層を作ることで断熱性や遮音性を高めます。
そのため、丈不足は単なる見た目の問題ではなく、“快適に暮らすための性能低下”にも直結します。
本格的に解決する方法|買い替えるなら“測定ミスを防ぐコツ”が重要
丈を調整する方法で不十分な場合、買い替えが必要になることがあります。
カーテンは毎日使うアイテムのため、丈の誤差が数センチでも生活の快適さに大きく影響します。
そのため、買い替え時には単に好みのデザインを選ぶだけでなく、以前の”丈が足りなかった原因”をしっかり振り返り、同じ失敗を繰り返さないようにすることが重要です。
買い替え時のポイントは以下の通りです。
これらを確認するだけで、丈のズレによるストレスを大幅に減らせます。
① レールの“種類”をよく見る
天井付け・壁付け・装飾レールで丈の基準が変わります。
特に天井付けレールは、カーテンが通常より高い位置から吊られるため、必要な丈が長くなりがちです。
一方で装飾レールはデザイン性を重視した作りになっており、フック部分が高めの位置にある場合があります。
この違いを把握しないまま既製品を購入すると、知らないうちに10〜20cmの誤差が生じることもあり、丈不足の大きな原因になります。
レールの種類は設置場所によっても変わるため、”購入前に必ず確認する” が最も重要です。
② 床からレールフックまで“垂直に”測る
斜めに測ると誤差が出るため、必ずメジャーを垂直に伸ばします。
さらに、測る際は1か所だけでなく、左右・中央の3か所以上を測定することで、床の傾きや窓枠の歪みなどによる誤差を防げます。
実は、窓枠は完全に水平でないことも多く、部屋によっては左右で1〜2cmの差が出ていることも珍しくありません。
また、メジャーがたるんだ状態や斜めに引っ張った状態で測ってしまうと、5cm以上のズレが生じることすらあります。
正確な寸法を出すためには、誰かにメジャーの先端を持ってもらい、もう一人が垂直に伸ばして測る”二人測定”が最も確実です。
③ 丈の選び方は“床上1〜2cm”が基本
床につかない程度が理想。
防寒性重視なら長めも可。
さらに、丈の選び方には生活スタイルや部屋の用途も大きく関係します。
例えば、リビングなど頻繁に出入りする部屋では、床上1〜2cmにするとカーテンの裾が床に擦れず、汚れや摩耗を防げます。
また、掃除機がかけやすくなるため日常的なメンテナンスが楽になります。
一方、寝室や北側の部屋など寒さが気になりやすい場所では、防寒性を高める目的であえて床に近づけて掛けたり、床に軽く触れる程度まで長くする家庭もあります。
ただし、あまり長くしすぎるとホコリを吸い込みやすくなったり、カーテンが波打って見た目が崩れる原因にもなるため、見た目と機能性のバランスを考えることが大切です。
このように、”床上1〜2cm”は最も失敗しにくい万能の基準といえますが、家の環境や求める性能に合わせて微調整することで、より快適な仕上がりを目指せます。
④ 洗濯で縮む素材を選ばない
綿・麻は縮みやすく、丈トラブルが起きやすい素材です。
また、天然素材は湿度変化によっても伸び縮みを繰り返しやすく、季節によって丈の見え方が変わることもあります。
そのため、”洗ったら思ったより短くなった” “いつの間にか寸足らずになっていた” といったトラブルが多く、素材選びはカーテン丈の安定性に直結する重要ポイントです。
さらに、洗濯回数が多い家庭ほどトラブルが起こりやすく、子ども部屋やキッチン近くの部屋では汚れやすく頻繁に洗う傾向があるため注意が必要です。
もし丈トラブルを避けたい場合は、ポリエステルなど洗濯後も縮みにくく、形状安定性に優れた素材を選ぶと安心です。
丈の変化が起きにくい素材は、買い替えの頻度が減り、長期的なコスト面でもメリットがあります。
【シーン別】短いカーテンで困るケースと対処法
● 冬場の寒さ対策をしたい時
冷気が下から侵入します。
カーテン丈が短いと隙間から冷気が流れ込み、暖房効率が下がります。
そのため、ボーダー追加や長いレースで補う方法が有効です。
ボーダー生地を追加すると丈を手軽に延ばせます。
長めのレースカーテンは外からの視線を遮りつつ冷気の侵入を和らげる効果があります。
防寒性と見た目の両方を改善できます。
● 部屋の暗さを調整したい時
短いカーテンは窓の下側から光が入り込みやすいです。
朝日が低い角度で差し込む季節は特に明るくなりやすいです。
遮光裏地を追加すると生地が厚くなり、光をしっかり遮断できます。
短い部分の光漏れも軽減できます。
遮光性が高まることで画面の反射が減り、生活の快適さが向上します。
夜間の視線を遮る効果も高まり、防犯面でも安心が増します。
● 見た目を整えたい時
丈が短いカーテンは“寸足らず”の印象を与えます。
レースを長くすることで短い部分を自然に隠せます。
外から見たときの見栄えも改善します。
裾に重りを入れる方法も効果的です。
短い丈でも布のラインが整い、上品な印象になります。
生地のふわつきを抑え、部屋の印象を落ち着かせることができます。
買い替えるなら“オーダーカーテン”も検討の価値あり
既製品で合うサイズがなければ、オーダーカーテンも重要な選択肢になります。
オーダーカーテンは1cm単位で細かく丈を指定できるため、窓枠の形状やレールの種類に左右されず、理想的な長さに仕上げられます。
また、生地の種類や色、質感、機能性などのバリエーションが豊富で、断熱性・遮光性・防音性など目的に合わせて細かく選択できます。
さらに、既製品特有の「微妙に丈が足りない」「雰囲気は好きなのにサイズが合わない」といった悩みを解消でき、部屋全体の統一感や完成度も高まります。
初期費用はやや高めですが、長期的に見れば満足度が高く、買い替え頻度も減らせるため費用対効果の良い選択といえます。
🌿 まとめ
原因と対策を正しく理解しておけば、カーテンを買い替えることなく、自宅で手軽にできる改善方法が数多く見つかります。
さらに、それぞれの対策がどのような仕組みで効果を発揮するのかを知っておくことで、状況に合わせた最適な方法を選びやすくなります。
結果として仕上がりの満足度も高まります。
また、これらの工夫は今日すぐに取り入れられるものが多く、特別な工具や技術がなくても実践できます。
理解が深まるほど応用も効くため、短いカーテンによる不便や見た目の悩みを根本から改善しやすくなるのが大きなメリットです。
🌿 FAQ
Q1. 丈が足りないカーテンは見た目が悪くなりますか?
床との隙間が大きいほど“寸足らず”に見えますが、レース調整や裾の重りで改善できます。
また、丈不足によってカーテンが短く見えると、部屋全体のバランスが崩れ、インテリアの印象に影響が出ることがあります。
特にリビングや寝室など滞在時間が長い空間では、わずかな丈の違いでも見栄えに大きく影響します。
さらに、丈が短いと日差しや街灯の光が入り込みやすく、光漏れによる不便さを感じる場合もあります。
しかし、レースカーテンを長めにする、裾に重りを追加するなどの工夫で、短さを自然にカバーでき、見た目も格段に整います。
Q2. 縫い足さずに丈を長くできますか?
フック調整で4〜5cm伸ばせます。
ほかにもレール位置調整や長いレース活用も可能です。
さらに、フックの種類(Aフック/Bフック)を変えるだけでも、カーテンの見え方が大きく変わることがあります。
レールの位置が少し高い場合や、カーテンの吊り下げ部分に余裕がある場合は、フック位置の微調整だけで見た目のバランスが改善することもあります。
一方、レースを長めにする方法は、外観を整えつつ光漏れも抑える効果があり、丈不足のカバーとして非常に実用的です。
さらに、カーテン裾に布を足さずに見た目の調和を取れるため、DIYが苦手な方にも向いています。
Q3. オーダーカーテンは高いですか?
既製品より高めですが、サイズがぴったりで長期的に満足度の高い選択肢です。
オーダーカーテンは価格がやや上がるものの、窓枠やレール位置に合わせたベストな長さに仕上がるため、見た目の美しさと使い勝手が格段に良くなります。
また、生地の品質や機能性(遮光・断熱・防音など)を自由に選べるため、自宅の環境に合わせて最適な組み合わせが可能です。
既製品では選べない細かな調整ができ、丈ズレによるストレスもなくなるため、結果的に買い替え頻度が下がり、長期的にはコストパフォーマンスが良くなる場合が多いです。

